妊娠7か月 恥骨痛・背中痛で息苦しい30代女性
この症例報告は私自身のものです。
普段は治療家として患者さんを施術していますが、子どもを授かり妊娠7か月になって様々な不調がでてきました。いつも身体が歪みにくい生活習慣を実践していますが、お腹も大きくなり身体への負担も増え、自分の努力だけでは痛みをコントロールすることができなくなってきました。そこで私がバランス療法を学んでいる先生の施術を受けてきました。今回は患者さんの立場で記したいと思います。
恥骨痛・背中痛で息苦しい日々
第2子妊娠7か月(26週6日)、赤ちゃんはちょうど1000gになりました。体重は6キロ増加しています。
24週に入った頃から、しゃがんだり歩くと恥骨にツンと響くような痛みが出始め、ひどい時は恥骨を押さえていました。歩く時は常に足の親指に重心を乗せるように意識していましたが、痛むので小指側に体重を乗せて歩いていました。
背中と肩はすごく凝って硬くなり、常に身体の後面に強い不快感がありました。
また胸がとても重く、下に引っ張られている感じがして右側の肋骨に圧迫痛もありました。妊娠すると産後の授乳のために乳腺が発達して胸は大きくなります。私の胸は過剰に大きく張っているわけではありませんが、耐え難い胸の重みを感じていました。その胸の重みから背中が丸まり、息苦しく呼吸も浅くなっていました。
お腹の様子
仰向けで寝ると、お臍の下3センチが頂点の尖った山型でした。お腹全体の張りが強く、張り過ぎて痛みもありました。
産婦人科では骨盤ベルトと我慢
ちょうど施術を受ける3日前に妊婦健診があり、産婦人科の先生に恥骨痛と息苦しさを相談しました。
恥骨痛はお腹が大きく重くなり恥骨に負担がかかっているので、骨盤ベルトを巻いてお腹を下げないように言われました。
息苦しさに関しては、妊婦さんによく診られる症状で我慢するしかないとのことでした。
施術
まずバランス検査で、身体の歪みを確認しました。上半身、下半身ともに筋肉の左右差がみられ、その歪みを取る施術を受けました。
バランス療法の手技はとてもソフトで、仰向けにしか寝れないお腹の大きな妊婦さんでも安心して受けられる施術です。
施術後の変化
お腹の形と位置
最初の手技直後にまずお腹の張りがなくなり、お腹全体がとても柔らかくなりました。施術前はツンと尖ったお腹も、なだらかでお臍が頂点の山型になり明らかに位置が上がりました。
骨盤の歪みが取れたことで子宮の緊張差もなくなり、お腹が柔らかくなったと考えられます。
お腹が柔らかくなると赤ちゃんが活発に動き始めました。施術以前は下腹部(お臍のラインから下)に赤ちゃんの動きを多く感じていましたが、施術後はお臍上部も含むお腹全体で動くようになりました。お腹が硬い状態だと、赤ちゃんも動きたいように動けません。施術後はお腹の中全体でのびのび動きたいように動いている感じがします。
恥骨痛
しゃがんだり歩いたりしても、全く痛みがなくなりました。そして足の親指にきちんと重心を乗せて歩けるようになり、軽く足が上がる感じがしました。
足の小指側に重心を乗せて歩くと、身体のバランスは崩れ痛みも出やすくなります。しかし恥骨痛で小指側にしか体重が乗せられないので、恥骨痛が悪化するという「負のスパイラル」に陥っていました。施術で歪みを取ることで、この状態から抜け出せました。
背中痛と息苦しさ
施術が進むにつれて背中と肩の張りがなくなり、身体の後面全体の緊張が取れ柔らかくなりました。
それと同時に胸の重さがなくなり、胸が上がりました。すると丸まっていた背中も自然に伸び、深く息が吸えるようになりました。とにかく胸が軽く感じ、肋骨の圧迫痛もなくなりました。胸が上がったので、胃への圧迫も解消されてなんだか胃もスッキリした感覚になりました。
腰痛
施術前に日常的な腰痛はありませんでしたが、たまにぎっくり腰になりそうな急な腰痛と、仰向けに寝ると腰骨がゴリゴリ鳴る不快感がありました。
施術以降は腰に安定感があり、腰痛も腰の不快感も出ていません。
その後の生活
翌朝布団から軽く起きれたことにまずビックリしました。毎朝必ず恥骨を押さえ「よっこいしょ」と言いながら起き上がっていたのに、全く痛みを感じませんでした。この無痛の状態は1週間持続しました。現在施術から2週間経ち少しずつ恥骨痛は出てきていますが以前より軽い痛みで、恥骨を押さえないといけない程ではありません。
そしてとにかく呼吸が楽になり、息切れもなくなりました。施術前は息苦しい状態に少し慣れてしまっていましたが、きちんと呼吸ができるってこんなに楽なんだ!と感動しました。私が息苦しいという事は、お腹の赤ちゃんに届く酸素も少なかったのではと思うと少し怖くなりました。
妊娠期間は様々な不調や痛みが起こりやすいですが、薬を飲むか我慢するしかないと言われることが多いです。「妊婦だから仕方ない。」では、ありません。痛みの原因は妊娠ではなく、身体の歪みです。身体のバランスが整えば、その不調や痛みに変化があります。限られた妊娠期間だから我慢するのではなく、母子一体の大事な限られた時間だからこそ歪みを取り除いてお互いに快適に過ごして欲しいと思います。
第2子妊娠中に私が骨盤ベルト(腹帯)を巻かない理由
私はバランス療法を学ぶ前に第1子を妊娠しました。当時も恥骨痛、腰痛、股関節痛があり産婦人科の先生に言われ、妊娠6か月~出産まで入浴と寝る時以外は常に腹帯を着用していました。実際腹帯を着用するとどの痛みも感じず、身体全体に安定感がありました。ただ外した時はすごくお腹が重たく手で下から支えないと不安で、しばらく外していると恥骨痛、腰痛、股関節痛が出ていました。
第1子出産後にバランス療法を学び始めました。バランス療法の考え方は、「筋肉の左右差を取り除けば、筋骨格系が正常に機能する。」です。筋緊張の左右差が取れると各筋肉が左右同じように伸び縮みし、骨のポジションは安定します。つまり身体のバランスが整っていれば、骨盤ベルトを巻かなくても自分の筋肉がその役割をきちんと果たし、身体全体が安定するのです。逆に骨盤ベルトなどで固定すると、筋肉はきちんと伸び縮みできないので、どんどん筋肉は衰えて役割を忘れていきます。そして骨盤ベルトを外した時にはうまくお腹を支えることができずに痛みが出ます。
第2子の妊娠期間は定期的に施術を受け、筋肉がきちんと機能する状態にすることで、骨盤ベルトを巻かずに過ごせています。自分の身体が整えば、大きなお腹でも自分の骨と筋肉で支えられるんだと実感しています。