左膝痛の小6のサッカー少年への施術
4年前にサッカーチームに所属し半年前に左膝が痛くなった
最初、当院に来た時小学校6年で左膝が痛いという事なのでオスグッド病かなと思い問診を始めました。
痛みが出た頃は、まだ少し痛いくらいでサッカーはしていたそうです。
その3ヶ月後には膝を曲げるのも辛くなり病院に行ったそうです。
病院(整形外科)では、ジャンパー膝と診断され1週間安静にしてその後は、ストレッチやサポーターをしてサッカーの練習をしていたそうです。
しかし、痛みは治まらず正座も出来なくなり当院へ来られました。
オスグッド病とジャンパー膝
オスグッド病とジャンパー膝はよく混同される事があります。
オスグッド病は成長痛とも言われスポーツ障害の一つです。
10歳~15歳くらいで良く発症します。
蹴る筋肉(大腿四頭筋)を使い過ぎることで膝下にある脛骨粗面(大腿四頭筋の付着部)を引っ張り骨が剥がれようとして炎症が起き痛みが出ます。
サッカーやバスケなどスポーツをする10代前半に多い。
ジャンパー膝はその名の通りジャンプや着地をしすぎる事によって起こります。
15歳以降で発症が多い。
ジャンプなどで大腿四頭筋を使い過ぎ膝蓋靭帯に炎症が起き痛みが出ます。
バスケやバレーボールなどジャンプする競技に多いです。
違いは、発症年齢や痛みの場所で判断する事が基本になります。
オスグッド病は脛骨粗面を引っ張るので骨の隆起があり骨を押すと痛みがあります。
ジャンパー膝は、膝蓋靭帯に炎症が出るので膝の下もしくは上に痛みが出ます。
病院ではジャンパー膝と診断されたが
問診をして、膝を診せてもらうと明らかに 脛骨粗面に隆起があり痛みも隆起している部分で、右と比べてもはっきりと違いが分かります。
付き添いで来れられていたお父さんに確認して頂き、オスグッド病とジャンパー膝の説明を行いジャンパー膝ではないと思われますと説明して納得して頂きました。
検査と施術
バランス療法では、痛みの部位を施術するのではなく身体の左右差をなくすように施術をします。
うつ伏せで、膝の屈曲テストを行うと左足は少し曲げるだけで屈曲制限があります。当然左の太ももの前(大腿四頭筋)が緊張してるので曲がりにくい状態です。
肩関節・股関節の検査も行い、検査に基づいて施術をしていきます。
検査⇨施術⇨検査⇨施術を繰り返して行います。
膝の屈曲テストで左の膝も右と同じように屈曲するようになったので施術は終わりです。
施術後
確認のため、正座をしてもらうと痛みはあるけど出来るくらいまでになってました。
基本的には安静が一番なんですが、試合や練習があるので休みたくないと言うので、アイシングや姿勢などの指導を行い週2回通うように伝え1回目の施術を終了しました。
その後
週2回の施術を4回行い、週1回を4回行い痛みはほぼ無くなり今はメンテナンスで通院しています。
考察
同じスポーツ・同じ練習をしているのにオスグッド病やジャンパー膝になる子とならない子の違いは何でしょうか?
基本的には、太ももの前の筋肉(大腿四頭筋)の筋緊張が強すぎること。練習などで足への負荷が多い練習を行っていれば確率は高くなります。
筋緊張が強くなる原因は、練習後のクールダウンの不足も考えられますが、もっと大事なのは普段の姿勢です。
来院した男の子も姿勢が悪く骨盤が後傾してました。骨盤には大腿四頭筋が付いていて骨盤が後傾になると大腿四頭筋が引っ張られ緊張が強くなります。
普段から筋緊張が強い状態で運動すると負荷がかかり過ぎ発症確率が高くなります。
これが、なる子とならない子の大きな違いと考えます。