生理痛によるひどい腰痛に悩む30代女性への施術
生理痛によるひどい腰痛があり、少しでも体が前に傾くとピキッと腰に強い痛みが走り、料理や洗濯などの家事ができず日常生活に支障をきたしていた大阪府堺市在住の30代女性への施術をしました。
施術で良い結果が得られたので、報告したいと思います。
強い腰痛で料理も洗濯もできない
この患者さんは毎月生理になると軽い腰痛が起こっていましたが、今回は生理が始まると同時に少しでも体が前に傾くと腰にピキッと響くような激痛が走るようになったそうです。
料理では冷蔵庫の下段から食材を取ることや食材を切る時に少し前傾になる動作が、洗濯では床に置いた洗濯カゴから洋服を取る動作ができないとのことでした。
食べ盛りの男の子(小学4年生と中学1年生)がいて、毎日2回洗濯機を回しているこの患者さんにとってこの腰痛はとても深刻な問題でした。
ご自身で湿布を貼っても、いつも生理痛のピークである2日目を過ぎても痛みが一向に改善しないので、生理3日目で連絡をいただきその日に施術させていただきました。
バランス検査で歪みを確認する
バランス検査では、肩関節・股関節・膝関節を動かし、筋肉にどのような左右の緊張差(歪み)があるかを確認します。
歪みがあれば関節運動に左右差がでてきます。右と左で肩の挙げやすさが違ったり、股関節の開きやすさが違ったり、膝の曲げやすさが違ってきたりです。
また筋肉の緊張に左右差があると背骨が曲がったり、骨盤や肩甲骨の高さが左右で違うなど骨格の歪みが生じます。背骨は両手足の筋肉によって4方向から支えられていますが、その両手足の筋肉によって支える力(筋肉の緊張差)が左右で違えば背骨は曲がり骨盤や肩甲骨も左右で高さに差が出てきます。
テントを想像していただくとより簡単に【歪み】が理解できます。
テントの支柱はロープによって左右から均等に引っ張られて真っ直ぐに保たれていますが、そのロープを引っ張る強さが左右で異なれば支柱は傾きテントは崩れてしまします。体もそれと同じ原理です。
この歪みがあることで、姿勢を保持することや関節運動をする際に必要以上に関節に負担がかかり腰痛など様々な不調が起こります。
右腕が上がりにくい
肩関節検査では右腕が挙がりにくく、右腕を耳の位置まで挙げると腕が突っ張り感が出て違和感を感じるとのことでした。
右膝が曲がりにくい
膝関節検査では右膝が曲がりにくいことが分かりました。また膝を深く曲げると腰に響くような痛みがありました。
股関節の動きに大きな差がある
股関節検査では、右の股関節が左に比べて非常に硬く開きにくいことが分かりました。
股関節はとても大きな関節で、立ったり座ったりする時に体重を支える役割をしています。股関節を動かす筋肉に左右で緊張差があるので、体重をしっかり支えられず体が不安定になり、その結果腰痛を引き起しているのではないかと考えました。
またうつ伏せで寝た時に左の骨盤は床から浮いているのに、右側はピタリと床についていました。このことからも真っ直ぐ寝ているにも関わらず、骨盤が歪んでいることが分かります。患者さん自身にも床と骨盤の間に手を入れて確認していただきましたが、ここまで大きな差があることにビックリされていました。
骨盤の内側には子宮や卵巣があり、その骨盤が大きく歪んでいることが今回のひどい生理痛の原因ではないかと考えました。
施術で左右のバランスを整えていく
バランス療法は全身の筋骨格を左右対称にする(歪みをなくす)ことが最大の目的で、その結果として体の不調が改善されるという考え方です。そして患部に直接施術をしなくても全身の歪みを取ることができます。これもバランス療法の大きな特徴のひとつです。
上半身への施術で全身の歪みを取る
この患者さんは足を動かされると腰に痛みが走るので、最初は上半身への施術だけで全身の歪みを取っていきます。
痛みを感じる施術では、痛みへの恐怖心から体が緊張してしまいリラックスできませんし、そのような状態で施術をしても高い効果が期待できません。
右腕を挙げる筋肉を刺激した結果、耳より後ろに腕を挙げても突っ張り感も出ず両腕を同じ位挙げれるようになりました。
両腕が同じように挙げれるようになった頃には、足を動かしても痛みが出なくなりました。
このように全身は連動しているので、肩関節に関係している筋肉の左右差を取り除くとことで他の部位にも改善が見られました。
下半身への施術で腰の痛みがなくなった
上半身への施術で足を動かしても痛みが出なくなったので、次は下半身への施術も行いました。
バランス検査で一番大きな左右差があった股関節も、右の股関節の動きもよくなり、左右で同じくらい開くことができるようになりました。
その結果、うつ伏せで左右の骨盤と床の距離が同じになりました。
立って前屈をしていただきましたが、どんなに前傾しても腰に痛みはなく、すごく腰が軽くなったと言っていただきました。
施術前は痛みで顔がこわばっていましたが、明るい表情になっていて、とても嬉しく思いました。
料理や洗濯の姿勢改善のアドバイス
今回の施術後にいつも普段やっている冷蔵庫から食材を出す動き、食材を切る動き、床に置いた洗濯カゴから洗濯物を取り出す動きをやっていただきました。
するとどの動きにも共通して、腰に負担のかかるような姿勢が見られました。
この患者さんはどの動作の時も両足を揃えて、腰だけを曲げて作業をしていました。重い頭の乗っている上半身を腰だけで支えるため腰に負担がかかり、この動きを毎日何度も行っていると腰痛が出やすくなります。
どちらか一方の足を一歩前に出すだけで足でも体重を支えることができ、腰痛の出にくい動きになります。
このように生活の中で習慣的にやっている動きが痛みや不調を招くことがありますが、施術を通して体に負担のない動きもアドバイスさせていただきたいと思います。
最後に
月経は女性にとってとても身近なものです。初潮は10〜13歳、閉経は50〜53歳頃に迎える方が多く、約40年も付き合っていく必要があります。そして多くの方が月経期間に下腹部痛・頭痛・腰痛・イライラ・PMSなど様々な不調を抱えているのも現実です。
生理痛だから仕方ないと思っていた腰痛も体の歪みが原因の場合があります。今回の患者さんのように歪みがなくなれば痛みや不調もなくなることもあります。月に1度なので我慢をしたり、薬で症状をおさえる事もできますが、体の歪みを取り不調の改善をはかるという選択肢もあると知っていただきたいと思います。