病院で頚椎症と診断を受け常に左肩から指先まで痺れを感じる50代男性に施術しました
大阪市中央区 50歳代 男性。
主訴は、左肩から指先までの痛みとしびれ(特に親指~中指)でした。
お仕事はデスクワークが主で、車で外を回ることもあるそうです。
何をしていてもしびれはあり、お風呂に浸かったときだけ楽になるようでした。
2014年に交通事故の既往があります。(停車中、後方から乗用車に追突されました。)
当時、強い症状は出ていないものの、整形外科のMRI検査により、頚椎症と診断。首の骨の位置や間隔が狭くなっているため、間を通る神経が圧迫されるため症状が起こると説明を受けられました。
(ご本人のMRI画像です。赤丸の部位が、他の背骨に比べて配列が乱れ、骨の後ろに写る神経が狭窄されていることがわかります。)
2016年10月、旅行先にて、なんの拍子もなく強い痛みとしびれが発生しました。
マッサージ機で治ると考え、40分ほどあてるも、その後眠ることのできないほど、症状が悪化したそうです。
その後、整形外科で痛み止めの注射や、整体や鍼治療でその場を凌いだようです。
2016年11月現在、10月頃の強烈な痛みはないものの、日のほとんどは、左肩から指先までしびれが起こっています。
バランスのチェック
まずは、からだのバランスがどうなっているか確認します。
仰向けの姿勢にて、バンザイの姿勢をとると、右肩が上がりにくいようでした。
仰向けの姿勢で足を組んでみましたが、左脚の方が組みにくいようでした。
うつ伏せの姿勢で、両膝を曲げさせていただきましたが、右膝のほうが曲がりにくいようでした。
座った姿勢で肩甲骨の高さの確認。右肩が下がり、左肩が高くなっていました。
しびれのある人は、握力が低下している人が多いので、確認してみました。
右手、左手ともに、握手をしていただきましたが、やはり、左手の方はほとんど握り込めていない状態でした。
仰向け、うつ伏せの姿勢が続くと、肩からのしびれがひどくなるため、じっとしていられません。
11月17日 初回の施術。 握力はやや回復。症状が軽減されました。
仰向け、うつ伏せの姿勢が、5秒ほど続くと肩からしびれてきます。
施術は、頭に枕を引きながら行いました。枕を敷くとしびれは出ないようです。
MRIの検査のとおり、頚椎の間隔が狭まることで神経を圧迫させているのは間違いありませんが、首の回りを悪化させる要素は首だけではありません。
全身が関与しています。
体の右と左で、筋肉の固さが異なってくる事で体は歪んできます。
左右の肩甲骨の高さが合わなくなったり、骨盤のが捻れたり、背骨が歪んだりします。
このように、体が歪んでしまっている状態が、この方の場合は首に負担をかけ症状を作ってしまいました。
首だけ施術しても、根本的には解決しません。
バランス療法は、手足全体の調和をはかり、筋肉の緊張を左右均等に整えることで体を良くします。
施術により、比較的左手は握り込めるようになりました。しびれの程度も軽減されました。
しかし残念ながら、仰向け、うつ伏せの姿勢による強いしびれは、1度では解消できませんでした。
11月26日 2回目の施術。 しびれる範囲が指先だけとなりました。
前回から9日経ち、症状をお伺いすると、以前よりしびれのレベルは半分ほどになったそうです。
しかし、仰向け、うつ伏せの姿勢による、強いしびれは改善されていませんでした。
前回よりは時間は延びましたが、枕がない状態で10秒ほどで症状が出てきました。
施術により、しびれる範囲は指先だけになりました。
12月17日 3回目の施術。 日常生活や仕事中では、ほとんどしびれはでなくなりました。
前回から21日経ち、間が空いてしまったので症状は悪化しているのではないかと不安に思っていましたが、デスクワークではしびれがを感じることはほほぼなくなったそうです。
しかしながら、頭をあげて天井を見る姿勢で、肩から指先までしびれが発生します。
今回の施術により、大きな変化がありました。
枕がないと15秒ほどで、しびれが出ていましたが、施術途中から枕を取り払った状態で3分ほど寝ていても、しびれが起こらなくなりました。
1月8日 4回目の施術。 施術前から、枕がなくても症状が発生することはありませんでした。
前回から21日経過しました。前回と異なり、じっとしているときに症状が出ることがあるということです。変わらず、顔をあげると症状が出てきます。
しかしながら、この日は今までと違って明らかによくなっていると実感しました。
最後まで、枕がなくても症状は発生することなく治療を行えました。
日を追う毎に、症状は改善されていると、本人にも喜んでいただき嬉しかったです。
1月21日 5回目の施術。 天井を見る姿勢でも症状はでなくなりました。
この日も、前回と変わらず施術前から枕なしで寝ることが可能でした。
この数日、ご本人は、どのような姿勢で症状がでるか研究しておられたようで、ものを覗き込む姿勢の時だけ、まだ症状がでる。とお教えいただきました。
天井を見る姿勢では、症状はでなくなっていました。
握力は3回目の施術辺りから、ほぼ完全に回復しています。
施術の前後には必ずバランスのチェックを行います。今回の施術前の検査は、1回目の施術前検査に比べて、かなり差は減っていました。
今回、肩甲骨の高さの差が1番気になりましたので、肩甲骨を動かす筋肉を整えることを、より意識して行いました。
結果、施術直後では症状は収まり、ご本人も喜んでいただけました。
まとめ
現在も施術は継続させていただいていますが、2ヶ月あまりで症状がほぼ消失しました。
頚椎症と診断され、背骨同士が狭くなってしまっても、全身を整えることで症状が落ち着くことがわかりました。
ただ、画像を見てもわかるように、頚椎周囲に明らかな変性があるため、健全な人に比べて、再度症状は出やすい環境にあると思います。
再発を予防するためには、日常生活や仕事などにおいて、からだの使い方を注意していただくことや、定期的に施術をするなどして、からだのメンテナンスを行うことが重要であると考えます。
追記 2019.12
現在も、月一度程のペースで施術させていただいております。
日によって、首の詰まり感や、僅かな肘の突っ張り感が、出たり消えたりしているそうですが、強いしびれは、ここのところ全く出ていないそうです。